エアコンを使いたいけれど、電気代が…
30度はおろか35度をも越えて来る暑さでは、さすがにエアコン無しの暑さ対策にも限度があります。
「エアコンを使うと電気代が跳ね上がるから、あまり使いたくないんだけれど…」
こうは思いつつも、やはり熱中症になることを考えれば素直にエアコンのスイッチを入れたほうが得策です。
どうせエアコンを使わざるを得ないのならば、少しでも電気代を抑えられる使い方を考えてみましょう。
68:エアコンが電力を一番食うのはいつ?
室温32度の部屋で設定温度を28度にし、エアコンのスイッチを入れる場合を想像してみてください。
スイッチが入れられたエアコンは、室温32度と設定温度28度の4度の温度差を早く埋めようとし、フル回転で電力を消費します。
次第に部屋が冷えてきて室温が29度になると、フル回転から出力を下げます。そして28度になると、冷却のための電力消費をストップし、あとは28度を維持するために、弱量の電力を使います。
つまりエアコンが一番電気を使うのは一気に室温を下げるときであり、下がった室温を維持するために使う電力はゼロではありませんが、極端に多くはありません。
69:暑くて耐えきれないからスイッチオンはNG
上の理屈でいえば、室温32度とか35度の状態から28度に下げて28度を維持するためにかかる電気代と、室温28度の状態を最初から続けた場合にかかる電気代では、後者の方が安く上がるということになります。
となるとギリギリの暑さまでじっと我慢して、もう耐えきれない!状態になってからエアコンを稼働させるよりも、まだ耐えられる涼しいうちに稼働させた方が電気代が安く済むわけです。
朝、天気予報をチェックして、予想最高気温が30度を超えるようならば、室温が28度ないし29度のうちにスイッチを入れて稼働させましょう。
稼働の際は風量は自動運転に設定します。人力でちまちま調整するのではなく、機械にお任せしたほうが効率的な運転をしてくれるためです。
70:除湿運転には2種類ある
エアコンの機能と言えば「冷房」のほかに「除湿(ドライ)」がありますが、実は除湿にも2種類あるのを知っていましたか?
それは「再熱除湿」と「弱冷房除湿(ソフトクール除湿)」。
再熱除湿とは部屋の空気をエアコンの内部で強く冷やして除湿し、冷えた空気を再度暖めなおしてから送風する仕組みです。冷やして更に温めるので、余計に電気代がかかります。
一方、弱冷房除湿(ソフトクール除湿)とは弱い冷房で除湿する方法で、冷えた空気を再度暖めなおさずそのまま送風します。
除湿するならば再熱除湿よりも弱冷房除湿のほうが価格的に有利。なおかつ冷房に較べても電気代が少し安かったりします。
自宅のエアコンの除湿機能が2つの除湿のうちのどちらなのかは、取扱説明書を確認するか、メーカーに問い合わせるしかありませんが、2種両方の除湿機能を兼ね備えている機種もあります。
自宅のエアコンが弱冷房除湿に対応しているのならば、冷房よりこちらを利用しましょう。
71:スイッチを切るタイミングは?
室温が上がりきらないうちにエアコンのスイッチを入れ、弱冷房除湿か冷房の自動運転で稼働させるのが重要だということを記しましたが、では逆にどのタイミングでスイッチを切れば電気代との兼ね合いが上手く行くのでしょうか。
一番ダメなのが冷えてきたらスイッチをオフにして、また室温が上がったらスイッチオンを繰り返す行為。スイッチを入れる度に、エアコンが設定温度まで室温を下げようとフル稼働しますのでこれはNGです。
基本的に朝、スイッチを入れたら夜までずっと稼働しっぱなしがベターです。言うまでもなく、室内の温度の上昇や下降をさせないことが電気代節約のポイントだから。
そして就寝近い時間になって外気温が下がっていたらスイッチを切りましょう。逆に外気温がなかなか下がらない熱帯夜の場合は、1~2時間ほどタイマーをセットしてから就寝すると良いでしょう。
点けっ放しでも電気代はべらぼうに掛からないとはいえ、外気が涼しいのに5時間とか7時間もの時間を稼働させる意味はありません。
またエアコンメーカーのダイキンの調査によると、外気温が下がって来る21時以降に関しては、30分間隔で運転ON/OFFを繰り返したエアコンの消費電力量のほうが、つけっぱなしのエアコンの消費電力量よりも安くなる結果が出ています。
引き続いてエアコンを朝稼働し、日中に家を留守にする場合を考えます。
30分くらいの外出ならばスイッチを切らず、エアコンを運転したままで出掛けてしまいましょう。
猛暑日にもなれば1時間程度でもエアコンのスイッチを切って戸締りして出掛けただけで、室内は蒸し風呂になってしまいます。となれば帰宅してスイッチを入れると、そこでエアコンがフル稼働してしまうので電気代がかさむわけです。稼働したままで出掛ければ、帰宅後すぐ涼しいという嬉しさもありますよね。
72:古いエアコンは思い切って買い替える
よく言われることですが、最新型のエアコンは旧式に較べて省エネが進んでいます。
具体的には1997年から2004年の8年間で67.8%ものエネルギー消費効率が改善されており、続く2005年から2010年の6年間でさらに16.3%の改善がなされています。(資源エネルギー庁省エネ性能カタログ2015年夏版)
10年以上前に製造されたエアコンを現在使用しているのならば、この機会に最新の省エネ型に買い替えるのも手。
購入の際は製品のPOPに付いている省エネルギーラベルを確認します。省エネ基準達成率が121%以上の数値のものが最高レベルです。なるべく数値の高いモノを選びましょう。